リスク下の意思決定における損失回避の神経基盤

Tom, S. M., Fox, C. R., Trepel, C., & Poldrack, R. A. (2007). The neural basis of loss aversion in decision-making under risk. Science, 315(5811), 515-518.

内側眼窩前頭前野（mOFC）が支払い意欲額（WTP）をコード化していると仮定

支払い意欲額（WTP）の計算には内側眼窩前頭前野（mOFC）と背外側前頭前野（dlPFC）が関与

利得に反応するネットワーク領域

・背側線条体

・腹側線条体

・腹内側前頭前野（vmPFC）

・前帯状皮質（ACC）

・眼窩前頭前野（OFC）

・ドーパミン作動性中脳領域

利得の増加に伴って活動が低下する脳領域は無し

損失の増加に伴って活動が低下する脳領域

・線条体

・腹内側前頭前野（vmPFC）

・腹側前帯状皮質（vACC）

・内側眼窩前頭前野（mOFC）

利得による活動増加より損失による活動低下が大きい（損失回避を反映している）領域

・線条体

・腹内側前頭前野（vmPFC）

神経性損失回避と行動性損失回避に有意な相関がある領域

・両側腹側線条体

・両側外側・上側前頭前野

損失回避は特定の脳領域の活動増加ではなく活動低下によって引き起こされている

自発的な購入決定において消費者は機会費用を考えない

製品を好きだと報告した程度は後頭核の活性と正の相関

後頭核の活性は購入決定と正の相関

島皮質は嫌な臭い、不公平感、社会的排除と関連

島皮質の活性は購入決定と負の相関（島皮質は支払いの痛みと関連？）